外反母趾の原因・加齢のせいだと片づけないで

外反母趾の原因とは?加齢のせいだと片づけないで

外反母趾とは

外反母趾とは、写真のように母趾(足の親指)の先が、第2趾(足の人差し指)の方向に”くの字”に曲がることを言います。 

歪みがひどくなると、母趾の付け根の突き出た個所が痛みます。 

外反母趾は女性に多く見られると言われています。

外反母趾になる原因は、靴を履いて歩くことにあります。

靴の中でも、つま先が細くなっている靴や、ヒールが高い靴を履くことによる足への影響は大変大きいです。
それゆえ、外反母趾は女性に多く見られる症状なのでしょう。

ところが、50歳を過ぎると男女ともに足が変形していく人が急増するそうです。

なぜ、50歳を過ぎると変形する人が増えるのでしょうか。

単に加齢のせいだと片づけられない理由があります。
この記事では、外反母趾にどうしてなるのかと、どうすれば改善させることができるのかをお話します。 

外反母趾の出っ張り

画像のように、外反母趾の出っ張りは、骨自体が曲がっているのではありません。 

足の各関節でねじれ骨の向きが悪くなった状態なのです。

足の骨の数は全身の骨の数の約1/4。片足28個・両足56個もの骨で足は構成されています。 

そしてそれらの骨と骨の間にあるのが足の関節で、片足だけで33個・筋肉は100個以上ついています。
 
自然の創造物である私たちの体は機能的にできていて、無駄なものは一つもなく、どんなデコボコ道でも歩けるようにするには、これだけの骨・関節・筋肉が必要だから体に備わったはずです。

人形の足のように、足に関節が無ければ、地面が少し傾いただけで体が倒れてしまいますし、歩くことができません。その代わり足は歪みません。 

ですが、関節がたくさんあって機能的な私たちの体は、使い方を間違えると、どんどん歪んでいってしまうのです。 

現代は便利なものが溢れかえっていて、昔と異なり、あまり動かなくても生活ができるようになりました。

その結果、歩き方がわからなくなってしまった人が増えました。
歩かなくなると、高性能な足の機能は使われないままになります。

近年では小学生の外反母趾も見られるようになり、もう加齢のせいだとは言えなくなりました。

では、なぜ50歳を過ぎると男女ともに足が変形していく人が急増すると言われているのでしょうか。

それは、加齢で筋肉が衰えたからでも、突然歪みだしたのでもなく、足が歪む歩き方をずっと続けてきたからです。

私たちは重力の世界で生活しているため、はじめは小さな歪みであっても、その歪みは年々増していくのです。
歪みがはっきりと表れたり、痛みなどの不調が出るようになるのが、50年経った頃だということです。

加齢のせいなどと諦めずに、高機能な足を生かせる歩き方に変えていくことが、人生100年時代を軽やかに生きていく術だと言えます。

外反母趾に関わる筋肉

足の裏には母趾内転筋という筋肉があり、その筋肉が緊張することにより、母趾の根元(向かって右の画像・赤色のの丸印)が、第3~第5趾 足底中足趾節靭帯、第2~第4中足骨(向かって右の画像・黄色の丸印)の方向に引っ張られます。 

この後、外反母趾の方の足を見てみましょう。

美脚講座の復習練習会に参加されたご受講生のビフォーアフター写真です。 
この方は、「外反母趾は治らない」と思っておられた方です。
 
脚のセルフ調整後に、膝の曲げ伸ばしをして頂いたところ、その動作に感覚のズレを感じたため、私Norikoが動きのサポートをした後の脚がアフター写真です。

ご受講生は、「全然立ち方が違う!」とおっしゃった後、「外反母趾の出っ張りが引っ込みました!」と、声を上げられました。 

足を見ると、右足(向かって左)にあった出っ張りがかなり小さくなっていていました。

また、外反母趾の出っ張りが引っ込んだだけでなく、内反小趾(寝指)も軽減し、丸まっていた足趾(足の指)がスッと伸びていました。

ここで、ビフォーの足と、母趾内転筋が縮むとどの方向に母趾の付け根が引っ張られるのかを示した画像と比べてみます。分かりやすくなるように、骨格図と同じ印をつけました。 
 
足首が外向きに倒れハイアーチになっており、第3~第5趾 足底中足趾節靭帯、第2~第4中足骨の位置も 外向きに流れてしまっています。 

そのズレによって母趾の付け根との間隔が広くなり引っ張りが生じて出っ張っていたのだと考えられます。

次に、アフターの足と比べてみます。 

足首が立ち、第2〜第4中足骨も第3〜第5趾の中足趾節も良い位置に戻ってきています。 
そのため、母趾の根元がぐいぐい引っ張られなくなり出っ張りが収まったと考えられます。 

こちらはパーソナルレッスンのご受講生の、ある日のレッスン前後の写真です。

この方は、先ほどのご受講生とは足の歪み方が異なり、足裏アーチが低下していることで、外反母趾になっておられました。

共通していることは、足(foot)の形が変わっただけではなく、足首が立ち、脛の向きが変わっているところです。

下の画像は、外反母趾の出っ張りだけではなく、足の内側の骨(舟状骨)も出っ張っていた受講生の症例です。

詳細記事はこちらです。

足の歪みを取る方法

前述のご受講生は、「今回ほど出っ張りが引っ込んだことはなかった」とおっしゃっていました。 

ですが、足のセルフ調整法は当日お伝えしたものではなく、すでにお伝え済みのものです。
膝の曲げ伸ばしの動作を変えて頂いたところ、足が大きく変わったのです。

これが何を意味するのかというと、セルフ調整を正しく行えても、動作のクセが今まで通りだと、元に戻ってしまうということです。

私は5年前までの6年間、施術(整体)つきのレッスンも行っていました。 

この写真は、外反母趾を調整した症例です。
このように調整しても、いつもの動作で立ち上がり、いつもの動作で歩かれると、残念ながら数歩で元に戻ってしまいます。 

元に戻らないようにするには、足だけでなく全身のバランスを整え、良い動きを体で覚えていくことが不可欠なのです。

足にトラブルのある方は皆さん、膝の曲げ伸ばしという単純な日常動作の感覚がズレてしまっています。

膝の曲げ伸ばしの動作は、股関節・膝関節の屈曲と伸展、足関節の底屈と背屈の組み合わせです。

いずれも歩く動作には欠かせない動きです。
立ち止まった姿勢から足を前に出す時、股関節・膝関節の屈曲および足関節の底屈の動きから始まり、膝関節の伸展および足関節の背屈の動きを行って着地させます。
そして、その足に体重をかけながら、反対側の足を前に持っていきます。
すると、先に前に出した足は後ろ足となり、股関節の伸展および足関節の底屈の動作を行って地面を蹴り、また前に出します。

膝の曲げ伸ばしの動作の感覚がズレている良い歩き方ができていないということになってしまうのです。

セルフケアや施術で足を整えた後は、それで満足せずに、必ずその足裏バランスを体の感覚で読み取って、股関節や膝関節、足関節が素直に動かせるように動作の質を上げていくようにしていきましょう。 

次に、簡単なセルフケアをご紹介します。
繰り返しになりますが、セルフケアだけで治るのではありません!

【簡単セルフケア】 
まずは、下の画像 『股関節のねじれ取り』➡『膝関節のねじれ取り』➡『大転子・太もも横張り解消ケア』の順にセルフケアを行ってください。(画像をクリックするとショート動画が表示されます。)

その後、写真のように重しを使って足首を曲げた状態を作り、足をだらりと脱力させたまま、足趾(足の指)を手で持ちクルクルと回します。

すべて終えたら、立った状態で足裏の感覚を読み取り、再現できるようにしていくことを忘れないようにしましょう。

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