足の内側の骨が出っ張っているのは生まれつきじゃなかった!

足の内側の骨(舟状骨)が出っ張っている

パーソナルレッスン受講生Jさんの足の変化です。

向かって左は、1回目のパーソナルレッスンを始める前に撮影した写真で、向かって右は、8回目のレッスン後に撮影した写真です。

Jさんは40代半ばの方ですが、幼少の頃から足の内側の骨が出っ張っていて、生まれつきだと思っていたそうです。

左右の出っ張りがぶつかってしまうため、つま先まで足を揃えて立つことができませんでした。

足の内側の骨とは、舟状骨(シュウジョウコツ)のことです。

でも、8回目のレッスン時にその舟状骨の出っ張りは引っ込み、同時に外反母趾の出っ張りも引っ込みました!

この記事では、舟状骨とは何か、舟状骨なぜ出っ張っていたのかなぜ引っ込んだのか、出っ張りが痛む場合に考えられることについてと、Jさんの受講目的は他にあったお話と、Jさんから頂いたメッセージをご紹介します。

舟状骨って何?

舟状骨は、内くるぶしの少し下でつま先寄りにある骨で、踵骨(ショウコツ)・距骨(キョコツ)・楔状骨(ケツジョウコツ)・内側にある3つの中足骨(チュウソクコツ)とともに、内側縦アーチを構成する骨です。

少し出っ張っているので触って確認することができます。

内側縦アーチの中央にあるため、舟状骨の位置により足がどのように変形しているかがわかります。

舟状骨には、後脛骨筋(コウケイコツキン)という下腿(膝下)の深層に位置する筋肉が停止しています。

拡大した画像はこちらです。

後脛骨筋の作用は、足首の底屈および内反です。

舟状骨が出っ張っている人は、後脛骨筋が常に緊張しているため、歩くとスネやふくらはぎがとても疲れてしまいます。

足の内側の出っ張りが痛い

足の内側の出っ張りが痛む場合は、有痛性外脛骨(ユウツウセイガイケイコツ)である疑いがあると言われています。

外脛骨(ガイケイコツ)は過剰な骨であり、10%前後の人にしか無いそうです。

通常、幼少期に舟状骨が形成される過程で、分かれていた軟骨が癒合し1つにまとまるのですが、癒合せずに分かれてしまうことで外脛骨ができるのだとか。

外脛骨があること自体は問題ないのですが、後脛骨筋腱が付着する位置にあるため、激しい運動・捻挫や打撲などの外傷によって、外脛骨に過度な負荷がかかると、舟状骨と外脛骨の間に炎症が起き痛みが出ると言われています。

有痛性外脛骨になりやすい因子は、扁平足・跳んだり走ったり急に止まるといった動きが多いスポーツ・そして女性

女性は男性より運動機能に影響を及ぼす疾患罹患率が高いです。

過去記事でご紹介した、股関節に強い痛みが出る臼蓋形成不全・足指の付け根にコブができ痛むモートン病・背骨がねじれる側弯症・お尻から足にかけて痛みが生じる坐骨神経痛・関節がゆるい関節弛緩性・腕のしびれやだるさが生じる胸郭出口症候群も女性に多いと言われています。

Jさんの場合

再度、Jさんの足の変化をご覧ください。

向かって左の写真の通り、Jさんはもともと踵が内側に倒れた扁平足で、足裏アーチが潰れ足幅が広く外反母趾足首も傾いていました。

ですが今は、足の甲が持ち上がり(足裏アーチが復活)、足幅がスッキリし、外反母趾の出っ張りも足首の傾きも軽減しています。

下の画像の向かって左は、足の模型の舟状骨が出っ張るように足裏アーチを潰して撮影したもので、向かって右は正常な状態で撮影したものです。

Jさんの足の変化と同じです。

足裏アーチを復活させられる日常動作を身につけられたら、出っ張りは引っ込むのです。

レッスン後日に、Jさんからメッセージを頂いたのですが、いつも職場で履いておられる靴が歩けないレベルにブカブカになってしまったそうで、この写真をお送りいただきました。

足裏アーチが復活すると足幅は狭くなるので、靴がブカブカになります。

なので、今まで履いていた靴を買い替えなくてはいけなくなりますが、健康な足を手に入れたからなので「嬉しい散財をしてくださいね!」とお伝えしました。

Jさんが改善させたかったのは膝痛

ところがJさんは、舟状骨の出っ張りや外反母趾を改善させたくてパーソナルレッスンに申し込まれたのではありません。

Jさんは、1年以上前に ある姿勢改善のパーソナルトレーニングを受けて右膝を負傷してしまわれ、それからずっと膝の痛みに苦しんでおられたのです。

どのメソッドでどんなトレーニングをされて負傷したのか写真入りで教えて頂いたのですが、お体の現状を見て危険な動きにならないよう指導できるトレーナーさんについていたら起きなかったことだと思うので、メソッド名もトレーニング名も伏せます。

痛みは、歩いている時はもちろん、椅子や床から立ち上がる時にもあり、階段の上り下りは特に痛かったようです。

その膝痛は、4回受講された頃から徐々に緩和され、6回受講された頃(約半年)には無くなったとおっしゃっていました!

実は、前述の舟状骨が出っ張り足裏アーチが下がっていたことは、膝痛に大きく関与していました。

画像は、ふくらはぎの深層にある筋肉です。

後脛骨筋は脛骨と腓骨に、長母趾屈筋は腓骨に、長趾屈筋は脛骨に付いていて、どの筋肉も内くるぶしの後ろを通って、足裏の骨に繋がっています。

舟状骨が出っ張り足裏アーチが下がっていたら、これらの筋肉が脛骨や腓骨を背面で引っ張ってくることは、画像からも想像できますね。

また、舟状骨の出っ張りにより、つま先まで揃えられなかったJさんの足の指は、外側に向いていました。

先ほどの長母趾屈筋は母趾に繋がり、長趾屈筋は2〜5の趾に繋がっていますから、さらに背面の引っ張りは強くなるわけです。

そうした引っ張りにより大腿骨と下腿骨の方向が膝関節で異なったままなのに、膝関節を屈曲させる激しいトレーニングを頑張ったため膝痛が生じたのです。

下の画像の受講生も、以前はつま先を揃えられませんでした。

Jさんは、痛みが出なくなってもまだ脚にねじれがあるため、今後のためにも可能な限り機能的な美脚になって頂きたく、現在はステップアップしたレッスンを行っています。

何をしたら足裏アーチが上がって、舟状骨の出っ張りも外反母趾の出っ張りも引っ込み、膝痛も無くなったのか…。

気になる方は多いと思いますが、足・脚の調整だけで変わられたのではありません。

いつもお伝えしている通り、それだけでは一時的であり、レッスン後に歩けば元に戻ります。

なぜなら、足裏アーチが下がるのも、骨が出っ張るのも、膝が痛くなるのも、そうなる動きを無意識で毎日繰り返しているからです。

仮に調整して足裏アーチを復活させられたとしても、足裏アーチが下がる動きをしていたらまた下がってくるのです。

調整して膝が痛くなくなったとしても、膝が痛くなる動きをしていたらまた痛くなってくるのです。

Jさんの動作のクセの中の一つに、股関節を内旋させたまま歩いていることがありましたが、

なぜ右膝にだけ痛みが出たのか・右と左で股関節の動きがどう異なっているのか・股関節以外の箇所はどういう状態なのか…といったJさんのお体について紐解いたことをご説明してご自身の状態を知って頂き、

股関節を良い位置で動かせるように全身のバランスをとりながら調整をしたり、そのお体の状態を読み取って頂くなど色々な練習をしてきました。

ですが、日常生活でそのクセが出てしまった瞬間に気づくことと、どういう感覚の時に良い状態になれるのか自分なりの感覚の発見が無ければ大きな変化は見込めないので、気づいて発見して頂くための練習も行ってきました。

最初のうち難しく感じられる方もおられますが、そうした気づき発見の繰り返しにより、Jさんは膝痛を解消させ、足裏アーチを復活させることができたのです。

ここで、面白い例をご紹介します^^

良い状態の時の脚の感覚を「ダッコちゃん人形になったみたいです。」とおっしゃった受講生がおられます 笑

「ダッコちゃん人形」は1960年に現タカラトミーが発売した、ビニール製の人形で腕に抱きつける形をしています。

1966年に再ブームが起きたようで、私も腕につけて遊んだ記憶があるので、50代〜70代の方には懐かしいおもちゃだと思われます。

その「ダッコちゃん人形」の脚の形になったみたいだというのです。

「ダッコちゃん人形」のフリー画像が見当たらなかったので掲載できないですが、「ダッコちゃん人形」の脚はO脚です。

機能的な美脚を目指しているのに、脚が曲がって感じられたわけです。

Jさんも同じく、脚の形が良くなっているのに、悪くなった感覚がおありでした。

今までとは異なるバランスで立ち、今までとは異なる動作をするのですから、変な感じがしている時が上手くいっていて、いつもと変わらないと感じている時は上手くいっていない可能性が高い‥そういうものなのです。

楽で見た目も綺麗な姿勢になった時、姿勢が悪くなったように感じて「北京原人になったみたい」と表現した受講生もおられます。

このように、"どう感じるか"を大切にしているので、鏡を見ながら姿勢を作るレッスンは行っていないのです。

Jさんからいただいたメッセージ

ノリコ先生

昨日はレッスンありがとうございました♪
変化に驚き、共有したくLINEします。

写真は職場での靴(クロックス)を履いたところです。
ご覧の通り靴の側面がガバガバになっています。
特に右側!

足首の歪みへの取り組みをして頂いたことから緩くなってきたなと思っていたのですが、今日は緩すぎて歩けませんでした。

ここまで靴を広げていたことにも驚き変化があったことにもびっくりしています。

今朝、座っての調整をしたら足の甲が身体に対して垂直になっていました。

変わっている~!と実感できる事が嬉しい限りです。
今後ともよろしくお願いいたします。

Jさんのご紹介記事を書くにあたり、Jさんの膝がレッスン前はどういう状態だったのか教えて頂きました。

膝は、⚫︎⚫︎⚫︎⚫︎⚫︎⚫︎⚫︎⚫︎⚫︎をやって痛めました。
あとでイメージ写真を添付します。
※メソッド名とトレーニング法は伏せます。

軟骨は最初、欠けていると言われましたが、受傷して1年後に膝の痛みがひどくなって、別の病院で検査したら欠けていない事がわかりました。

受傷当初は歩行はもちろん立ち上がりなども痛みがありました。

受傷して1年以上経っていますし、このまま治らないかもしれないと思っていたので、ここまで改善できたこと、ノリコ先生に感謝です☆

ここから加速できたら嬉しいです。

諦めが希望に変わり、ご自身の未来に期待されるようになられたこと、私も大変嬉しく思います。