要介護のご高齢者(90歳)の3ヶ月間・オンライン体操講座

高齢者レッスン初の試み

今年(2023年)スタートした、椅子ゆるく®はじめの一歩講座が、3クール目を迎えます。
この講座は、主にご高齢の方にご参加いただきたくて、インストラクター有志の協力を得て始めた講座です。

椅子ゆるく®は、ご高齢の方々にも取り組んで頂けるものを・・・と、2018年に考えて2019年にスタートさせたメソッドで、当時色んな地域に出向いてお伝えしていきたいと思っていました。

コロナでそのプロジェクトは立ち消えてしまいましたが、オンラインレッスンが世の中に浸透してきたことで、オンラインだと外出しなくて良いので、ご高齢の方々のレッスンに最適ではないだろうかと思うようになりました。

ですが、ご高齢の方にオンラインレッスンを受け入れて頂き、受講できるように環境を整えなければならないため、ご家族のご協力が必要です。

なので、まずこの講座を受講してくださる方はおられるのか・・・続けていくことができるのか・・・、と、初めての試みに心配は色々とありましたが、とにかくやってみようということになりました。

足を引っ張るかもしれない

この講座の告知をしたところ、お問い合わせ下さった方がおられました。

その方Tさんは、90歳になるご両親を参加させたいとご希望でしたが、「他の方の足を引っ張るかもしれない」、「ちゃんと続けられるかどうかわからない」と、とても心配されていました。

要介護で週に2回の往診、お母様にはいくつものご病気があり、お父様は背中が曲がって歩くことも辛いご様子とのことでしたので、担当インストラクターたちがTさんにお話を伺うことに。

介護をなさっているTさんは、施設に入るしかないのか・・・と、お母様を看ていくのに限界を感じておられ、心の平静を保つのにギリギリのところでいらしたようです。

そんなTさんと担当インストラクターとの話し合いの結果、Tさんにご両親のサポートに入って頂き、レッスンをお受けすることになりました。

希望を感じる変化

こちらの写真は、お母様の1回目のレッスン時と、週1回30分のレッスンを3ヶ月続けた日のご様子を比較したものです。

1回目のレッスン時は、向かって左の写真のように椅子の前に掴まれる器具を置いておかないといけないぐらい不安定な座り方をされていましたが、3ヶ月後は、バランスを崩すと簡単に倒れてしまうパイプ椅子で体操されるようにまでなられました。

レッスンの経過はこちらです。

  • 1回目 座っていることが辛そうでいらした
  • 3回目 座り方がしっかりし顔色も目の焦点も良くなってこられた
  • 4回目 Tさんの問いかけへの反応が早くしっかりしてこられた
  • 6回目 問いかけに講師に聞こえる声で答えられるように
  • 9回目 問いかけに画面を見ながら講師に直接答えられるように
  • 10回目 音楽に合わせて体操ができるように
  • 11回目 休憩なしで30分動けるように
  • 14回目 肌のハリ透明感が出てきて、唇も血色よくなってこられた

こちらは、お父様の1回目のレッスン時と、レッスンを2ヶ月続けた日のご様子を比較したものです。

骨盤が起こせず腰が落ちた状態だったのが、徐々に起こせるようになられました。

レッスンの経過はこちらです。

  • 1回目 会話が聞き取りづらく表情や動きで理解しようとされていた
  • 2回目 疲れて椅子でぐったりすることがなくなられた
  • 3回目 2泊3日のツアーに行こうとおっしゃるように
  • 4回目 トイレで便器の手前にオシッコが落ちることが減ったと話されるように
  • 4回目 手が震え読みづらい字しか書けなかったのがキレイに書けるように
  • 6回目 聞こえがよくなり言葉に反応して動かれるように
  • 9回目 足の浮腫が強かったのが 往診の先生に浮腫がないと言われるように
  • 12回目 笑顔が増え、動きが大きくなり、問いかけにも即答されるように
  • 14回目 体操の順序をすべて覚え動かれるように


こちらは、レッスンが始まったばかりの頃と、レッスンを2ヶ月続けた頃の、お二人の万歳のポーズを比較した写真です。

腕がよく上がるようになっていかれました。

担当インストラクターによると、1回目のレッスンの時、画面が固まってしまっているのではないかと勘違いするぐらい、お二人に動きが無かったそうですが、今では小さな動きがたくさんあり、筋肉が良く動くようになられたと感じるようになったとのことです。

こちらは、レッスンを3ヶ月続けた頃の万歳ポーズ写真です。

腕の上げ方に、余裕を感じます。

講師への問いかけに受け答えができるようになられ、また音楽に合わせて動けるようになられたご両親。
次回のレッスンからは、他のご受講生と一緒にレッスンすることになりました!

心の元気を取り戻されたTさん

ずっとご両親を見守られてきたTさん。

Tさんから頂いたメッセージ(1回目のレッスン後・8回目のレッスン後)

両親の為に申し込んだのに、絶対私の方が恩恵を受けてる!

初回のクールが終わるまで2人は生きてるのだろうか、どちらか施設行きではなかろうか、と思ってました。

無事8回終えて次の講座まで決まったなんて、私が一番驚いています。
これからも宜しくお願いします。

Tさんからいただいたメッセージ(10回目のレッスン後)

先生、再度の質問になりますが、この体操不思議でなりません。
何がこんなに2人を変えたのでしょうか?

今まで、2人とも訪問リハビリを受けたり、デイサービスでも、機能回復の運動したりしていたのに、現状維持が精いっぱいでした。
勿論、私も色々させたりしてたんですが。

この体操の何がどう作用してるのですか?
魔法過ぎて???です。

※背骨を動かすことで脳脊髄液の流れが良くなって、脳や神経に栄養や酸素が届きやすくなり頭がハッキリして動きやすくなるのだと考えられます。
立って歩くことが難しくなった方こそ、座ったままであっても動くことって本当に大切なのです。

Tさんからいただいたメッセージ(10回目のレッスン後)

今月24日で、ジジは91歳です。
去年より良い、顔が断然明るくなりました。
心が軽い感じです。
こんなジジを求めてました!
認知は衰えてますけど、可愛く思えるようになりました。

ババも同じです。
動きや認知は下降線ですが、「何かおかしい・・・」と頭が混乱している言葉はなくなりました。
素直に老いて行ってる感じです。

本当に感謝しています。

私たちは、介護される親御様と介護するご家族の心身の変化を目の当たりにし、この活動を終わらせてはいけないと強く感じております。

以下のご報告も是非お読みください。
要介護4から要支援2になったという方のお話です。

活動を応援して下さっている方のお声

今、ご高齢の方とサポートされている方の椅子ゆるく体操グループレッスン。
とても素晴らしい取り組みだと思います。

残念ながら実の母は、昨年5月に94才で天国へと旅立ちましたが、生前は毎朝椅子ゆるく体操5回ぐらいとラジオ体操2回をするのが、日課でした。

基礎疾患も沢山抱え、認知症もあり、数分前の事も忘れてしまう程でしたが、椅子ゆるく体操をすると、シャッキっとして毎日のルーティンを決めて生活してもらっていたのですが、こちらから声掛けしなくても自分から次に何をするかわかるようでシャキシャキと自分のルーティンをこなすのです。

体操をしない日は目もボゥ〜としていました。

高齢者にとって、ゆるやかに体を動かす事は私達の何倍も体に現れるのだと思いました。

現在80代90代の方が参加されておられ、とても素晴らしい取り組みに感謝いたします。

これからはますます高齢化していきます
歩く喜びを共に〜を提唱し、YURUKUをお作りして頂きました事に本当に感謝です。

インストラクターの声

私たちインストラクターの多くが40代~50代で、介護を経験した人・現在介護中の人・できるだけ自分の足で歩けるようにサポートしている人がいます。

お母様のご健康を守りたくて、椅子ゆるくカルチャーを始めた長坂貴代子講師

70代、80代の方5名からスタートした 椅子ゆるくカルチャーが6年目になりました。
スタート時に、痛みや病気がない方は無く それぞれ、病気や怪我、痛みをお持ちでした。

5年間の取り組みと、皆さんの変化を見せていただいて思うことは、 正しいではなく楽で楽しく 継続できることの大切さ。

2019年頃よりコロナの流行で 色々な行動に対しての規制がかかるようになりました。
特に年配の方への制限は厳しく、 それは皆さんの命を守るための配慮でしたが 同時にそれまでのコミュニティや繋がりを断ち切られることでもあったように思います。

それまで、定期的にあった行事、発表会など全てが中止になり、集まることも減り、体調やメンタルを崩される方のお話を聞く中、 椅子ゆるくカルチャーのメンバーさんとは 繋がり続け、現在も一人も欠けることなく 途中から三名の方が増え、現在も続けています。

病気、入院、ケガなどおやすみされることはあっても、みなさん戻ってこられます。 途中で抜けたり、途中から入ったりした時に 「ついていけない」がありません。 次々に新しいことをして何かを目指すのではなく、同じ動き(体操)をその時のご自身が気持ち良いところを探して動く。 その繰り返しだからです^ ^

年齢を重ねるほど、調子が悪くなった時の崩れ方が大きいように思いませんか? 椅子ゆるくカルチャーメンバーの方も崩れる時があります。 それでも、動く(体操する)ことでのリカバリーが早い!と感じます。 それは伝えている私だけが感じていることではなく、皆さんが感じていて 月2回の椅子ゆるく体操の時間を楽しみにしてくださっています。

みんなで笑いながら、ウトウトと眠ってしまうくらい気持ちいい動きをする共有時間。 頑張ることが当たり前で、 実際めいいっぱい頑張ってこられた年代の方々です。 ホッとできる時間を共有、それが心にも体にも効果があることをお互いの変化で見れる。 みなさん、年齢を重ねてますが 最初できなかった動きができるようになり、姿勢バランスも良くなってるんですよ^ ^

周りの人も自分も良くなって、 共に喜びあう。 一緒に楽しく椅子ゆるく体操をしましょう^ ^ 

人工関節置換術を勧められていたお母様が歩きやすさを取り戻すサポートをしている大西真由美講師

『自分の足で歩き続ける』 好奇心旺盛でおしゃべり、お出かけが好き。人と一緒に楽しむのが大好きな母。

ただ若い頃に足を痛めたこともあり変形性膝関節症が年齢とともに悪くなってきていました。 調子が悪いと歩く時は痛みに耐え杖をついてゆっくりゆっくり。外出先で歩けなくなってしまったことも幾度もあり、人工関節置換術も勧められていた状態でした

私も手術するしか仕方ないと思っていましたが、母が手術を怖がったため、ユルクを取り入れることになりました。
母も半信半疑でしたがやるだけやってみようと身体を緩めることを始めました。 最初はよくわからないと言う感想の母でしたが、意外と早く緩めることの効果は感じたようです。 ほぐれた身体は軽くなり母の歩きやすさを取り戻していきました。

120度までしか曲がらなかった膝は90度から85度位まで曲がるようになり、立ち座りも楽になり、母のQOLは格段に上がりました。 足の痛みが全くなくなったわけではなく、ただ痛みが出てもフゥ〜と息を吐き、怖い気持ちや緊張を取り除くこと。 「それだけで痛くなくなるのよ、不思議」と笑っています。

歩くペースも以前より速くなり、わたしが少しゆっくりめに歩けば、母は横に並んで歩きます。念の為と杖を持っても、使わずに横でプラプラ揺れています。

今、母はお友達と週に2回のグランドゴルフやお出かけ そしてなんと 町の女性専用30分ジムにも通い始めました。
自分の足で出かけ、人に会い、話し、笑う。 それが母にとって元気の源。 自分の足で歩く事は、母にとって自信と自由そのものだったんだと深く気づきました。

高齢の方は子供に迷惑をかけたくないとおっしゃいます。 わたしと同世代の方は親御さんのお体を心配されている方は多いと思います。 そんな方たちに椅子ゆるくをお勧めしたい、椅子ゆるくの時間を共有してもらえたらいいな、と思います。

ただその前に 親御さんの楽しみ、好きな事はなんだろう。 ○お出かけをしたい ○旅行がしたい ○絵を描きたい ○手芸がしたい その好きなことを楽しむために身体を整える、そんな気持ちになれたら嬉しいな、と思います。

わたしが親に接してきて 最近気づいた大切なことは「待つ」「見守る」こと。 もっと親に対して必死だった時もあったんですよ〜それじゃダメだよ、とか。良くなるには、こうだよ!とかね。 その時の親は困惑してた、と思います。

これは子育てでも大切なことかなと思うんです。 ただ私が子育てのときには必死すぎてなかなかそうできなかった。 今、孫と遊びながらそんなことに気づいています。 待ってあげる。 見守ってあげる。 それでいいんだなぁと思います。

一緒に笑顔になれる 椅子ゆるく体操 しませんか? 

レッスンで行っている椅子ゆるく体操は、YouTubeに公開しています。
元祖はこちら
(下の画像からYouTubeに移動します)

次に、椅子ゆるく®はじめの一歩講座で使っている、ゆっくりバージョン
(下の画像からYouTubeに移動します)

この動画で体操を続けて頂けると嬉しいです。

ですが、ご高齢の親御様に、動画を見ながら自発的に体操して頂けるように導くというのは、ハードルが高いかもしれません。

両親を見送った私にも介護経験がありますが、元気な頃の両親をよく知っているだけに、できないことが増えていくことを受け入れづらく、親子間では『待つ』ことが難しい場合があるからです。

オンラインレッスンを受講できる環境づくりは必要ですが、椅子ゆるく®はじめの一歩講座でそのハードルを一緒に越えませんか?

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