体が柔らかければ良い?女性に多い関節弛緩性って何? 

関節弛緩性(関節が緩い)

関節弛緩性」という言葉をご存知でしょうか? 
関節弛緩性とは、関節の靭帯が緩いことを言います。 
一般的には、「関節がゆるい」という言葉がよく使われています。 
 
生まれつき(先天的に)関節が緩い方もいれば、外傷により後天的に緩くなってしまった方もおられます。

先天的の例として、膝が過伸展してしまう反張膝や、肘が過伸展してしまう猿腕があります。 

関節弛緩性は男性よりも女性に多く見られるそうです。
あ~また女性が多いのですね。

股関節に強い痛みが出る臼蓋形成不全も、足の指の付け根にコブができ痛むモートン病も、背骨がねじれて曲がる側弯症も、お尻から足にかけて痛みが生じる坐骨神経痛も、膝の前十字靭帯が断裂するのも女性に多いです。

介護が必要になった原因で女性に多いのは「骨折」「転倒」「関節疾患」だと言われていて、いずれも立つこと歩くことに関わることなのです。

関節弛緩性にお話を戻しますが、後天的な例としては、捻挫で靭帯損傷を繰り返し、足首がグラグラになってしまった状態があります。 

それではこの後、「関節って何?」「靭帯って何?」について詳しく書いていきます。 

関節の構造・靭帯について 

私たちの体の骨は約206本、関節は約265個、筋肉は約600個と言われています。
骨は単独では動けず、骨同士が連結して関節を構成することにより動くことができます。 
 
骨同士の連結には可動性のあるものと可動性のないものがありますが、一般的に関節とは可動性のあるもの(可動性連結)を指しますので、可動性連結の関節についてお話します。 

骨の連結部は、「関節包」という二重構造の保護膜に包まれています。 
その内側には「関節腔」という空洞があり、そこは関節包の内面にある「滑膜」から分泌される「滑液」で満たされ、骨同士が対面している「関節面」は、ゲル状の「関節軟骨」で覆われています。 
 
※膝関節や顎関節のように、関節腔内に関節半月(半月板)や関節円板と呼ばれる繊維軟骨が存在する関節もあります。

関節包」は、外側にある骨同士を繋ぐ「靭帯」によって補強されていますが、この靭帯」は関節を安定させたり、関節の可動域を制限させる役割を担っています。 
※膝の前十字靭帯のように関節包の中に存在する靭帯もあります。 

体が柔らかいことについて

体にある各関節は、可動範囲が決まっていると言われています。 
靭帯による制限があるおかげで、私たちは姿勢を保持することができるのです。 

ところが、関節が緩い方は、靭帯による制限が甘く、通常は動かすことができない範囲まで可動してしまうのです。 
 
体の柔軟性を求めてストレッチをすることを多くの方がされていると思いますが、良い意味での柔軟性のある体とは、筋肉が柔らかい状態を言います。 
 
一方、関節が緩い方はいかがでしょうか。 
靭帯が緩いことで、何の訓練もせずに体が柔らか過ぎることは良い状態だとは言えません。 
 
体は柔らかいのに、筋肉がガチガチに硬い箇所と柔らかい箇所が混在し、その硬さに違いがあり過ぎて、良い姿勢が保持し辛く、また怪我の原因にもなってしまうのです。 
 
体が柔らかいことは良いことだと多くの方が思われているため、関節が緩い方のお体は良い状態だと勘違いされて見過ごされがちです。 

受講生の中にも関節が緩い方がおられるのですが、皆さん体がとても柔らかく、どんな動きでもできてしまうのに不調を多く抱えておられます。 
 
楽な体になりたくて何らかのトレーニングをしても、すればするほど体を痛めてしまうという、関節が動きすぎてしまうゆえの不調です。 
 
体のあちらこちらが痛いのに、エクササイズのクラスで柔軟性の高さを「素晴らしい!」とお手本にされたことがあるとおっしゃっていた方もおられます。 
 
関節が緩いことに気づかずに、過伸展してしまうほどに膝や肘の関節が緩いのに、膝を伸ばす・肘を伸ばすといったストレッチをするなど逆効果なエクササイズを行い、さらにバランスを崩してしまう可能性があるとことは言うまでもありません。 

関節弛緩性テスト

関節弛緩性をチェックするテストがいくつかあり、その中の東大式テストをご紹介します。 
 
以下、該当する項目1項目につき1点(左右あるものは0.5点ずつ)で計算します。 
合計点数4点以上の場合は関節弛緩性あり4点未満は関節弛緩性なしとなり、4点以上は要注意なのだそうです。 
 
①膝関節:膝が10度以上過伸展する 
②肩関節:背部で指が握れる 
③脊柱 :前屈時に手のひら全体が床につく 
④足関節:足関節が45度以上背屈する 
⑤肘関節:肘が15度以上過伸展する 
⑥手関節:母指が前腕につく 
⑦股関節:足先が180度以上開く 

 
結果はいかがでしたか? 
これらのチェック項目に驚かれた方も多いのではないでしょうか? 
 
膝と肘の過伸展以外は、できたら良いと思われているものもありますよね。
しかも、できるようになるために頑張っている方もおられるかもしれません。

関節が緩い受講生Kさん

以前、あぐらは脚がねじれることをお伝えするための検証記事を書きました。
あぐらの記事はこちら 

この記事を読まれた方々からメッセージを頂きました。

その中のお一人海外在住のKさんは、関節が緩くて、幼少のころから可動域が広すぎて姿勢が保持できず複雑にねじれ、小学生の時に側弯症になってしまわれました。 
 
全身に側弯症による痛みがあり、整体院で「骨が飛び出ているので怖くて施術ができない」と断られたご経験がおありです。
 
詳細は、下の記事をお読みください。 

側弯症も男性よりも女性に多く見られると言われているので、もしかすると同じく女性に多い関節が緩いことも関係しているのかもしれません。

Kさんから頂いたメッセージです。

Noriko先生、今日もありがとうございました。 
今回もまた体感が良くて、またもう一段階希望が見えてきました。 

最近は少しずつだけれど、けっこう見えて感じられる程度に身体が動いて変わってきているのわかります。 
何十年もかけて体が歪んで固まっていった事を思うと、正しく導けば身体ってもとに戻る力はけっこう強いもんだなと感心しています。 

あぐらの記事も読みました!面白い! 
やっぱり正しい知識としっかり整った身体でないと、あぐらって危ないんだなと思いました。 
私も先生の旦那様や記事の方と同じく、あぐらが楽に上手にできてたので、好んで椅子だろうが地べただろうがよくやっていました。 
というか、あぐらが一番楽なんですよね。結果、余計歪ませてたわけですね。 

近年は、あぐらを避けていましたが、体の状態がひどくなって、あぐらを含めどんな座り方をしても心地悪く痛くなってしまっていました。。 
ほんとヤバかったですね。 

もう少し身体が正しい状態を覚えるまで、あぐらは避けたいですが、お尻の下に何かを置いて、足首を直角に保つ方法は試しにやってみたいです。 

Kさんは、パーソナルレッスンを始めたばかりの頃、ほんの少し動かしただけで体のあちらこちらが痛くなっておられました。 

過去記事でもご紹介したように、ご高齢の方にも取り組んでいただける、ゆる~い体操「椅子ゆるく体操」の手をブラブラする動きだけで、全身に痛みが走っていたのです。 

現在Kさんは、オンライン・パーソナルレッスン2クール目を受講中なのですが、レッスンごとに痛みなくできる動きが増え、どんどん良いバランスを感覚的に理解していかれています。 
 
Kさんをはじめ関節が緩い方がレッスンで取り組まれていることも、筋トレやストレッチではありません。 

Kさんの場合は、手をぶらぶら振るだけでも全身痛む方で、筋肉を緩めるセルフケアも難しい状態でいらしたのですから、筋トレやストレッチですとさらにお体を壊してしまわれます。

なので、他の受講生と同様に、日常の動作のクセを改めていくことにより、様々な方向にねじれてしまった関節を良い状態に戻すことをメインに取り組んで頂いています。
 
ここまで読まれて、ご自身が関節弛緩性があると思われた方は、もし現在、柔軟性を高める取り組みをされている場合は、お体に合っているのかご確認いただきたいです。

そして、靭帯による可動域の制限でバランスを理解するということが難しいorできない状態なので、関節弛緩性ではない方以上に良いバランスを体の感覚で覚えて、いつでもそのバランスにスッと戻せるようお体と向き合うようにし、故障を防いで頂きたいと願っています。

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